猫は自分の名前がわかる? 名前ランキングから考えてみました

ごはんの時間。

「ブリューノ、ごはんだよ」と呼ぶと、ブリューノが一目散にやってきます。

その様子を、少し離れたところからじっと見つめているソフィア。

名前を呼ぶと、ちゃんとやってくる。

そういえば、猫は自分の名前を分かっているのでしょうか。

そんなことを考えていたら、今度は「最近の猫には、どんな名前が多いんだろう?」ということも気になってきました。

そこで、2026年10月7日に発表された「猫の名前ランキング2026」を見てみることにしました。

2026年、いちばん多かった猫の名前は?

今回の調査は、ペット保険「PS保険」の契約者で猫を飼っている15,000名を対象にしたもの。

集まった猫の名前は、なんと4,319種類もあったそうです。

その中で総合1位になったのは、「ムギ」。

男の子では「レオ」、女の子では「モモ」が1位でした。

総合ランキングのトップ10は、

1位 ムギ
2位 モモ
3位 ソラ
4位 キナコ
5位 レオ
6位 ココ
7位 ルナ
8位 テン
9位 フク
10位 リン

という結果でした。

「ムギ」が人気なのは、ちょっと面白い

1位の「ムギ」は、男の子でも3位、女の子でも2位。

どちらか一方に偏らず、男の子にも女の子にも選ばれている名前です。

「ムギ」と聞くと、麦の色や、ふんわりした穀物のイメージが浮かびます。

実際、男の子のランキングには「トラ」「クロ」「キナコ」など、毛色や模様を思わせる名前も入っています。

猫の姿を見て、「この子はムギっぽいな」と感じて名付けることもあるのかもしれません。

もちろん、名前の由来は一つではありません。

でも、猫の見た目や雰囲気から連想した名前が、今もたくさん選ばれているというのは、なんとなく猫らしい気がします。

女の子は「食べ物」や「自然」がいっぱい

女の子のランキングを見てみると、少し違った面白さがあります。

1位「モモ」、2位「ムギ」、3位「ルナ」、4位「ココ」、5位「ハナ」、6位「キナコ」、7位「リン」、8位「モカ」、9位「アズキ」、10位「メイ」。

「モモ」「ムギ」「キナコ」「モカ」「アズキ」と、食べ物や飲み物を連想する名前がトップ10の半分を占めています。

一方で「ルナ」や「ハナ」のように、月や花を思わせる名前もあります。

かわいらしいもの、おいしそうなもの、自然を感じるもの。

こうした名前は、猫のやわらかな雰囲気にもよく似合います。

名前は「呼びやすさ」も大事なのかも

もう一つ気になったのが、名前の表記です。

今回の調査では、ひらがなが45.5%で最も多く、カタカナが37.6%、漢字が12.7%でした。

「むぎ」「もも」「きなこ」のようなひらがなは、見た目にもやわらかく感じます。

猫の名前は、毎日のように呼ぶもの。

だからこそ、声に出したときの呼びやすさや、文字にしたときの雰囲気も、名前を決めるときの大切なポイントになっているのかもしれません。

4,319種類もあるということ

ランキングを見ていて、個人的にいちばん面白いと思ったのは、今回集まった名前が4,319種類もあったことです。

総合トップ10を全部合わせても、全体の約1割にとどまったそうです。

つまり、「ムギ」が1位だからといって、猫の名前が「ムギ」ばかりというわけではありません。

その子を見て、飼い主さんがそれぞれ考えてつけた名前が、たくさん存在しているということです。

人気ランキングも面白いけれど、実はランキングに入らない名前のほうが、ずっとたくさんある。

そう考えると、猫の名前って、なかなか奥が深いですね。

呼ぶと反応するのは、名前を聞き分けているから?

ところで、猫の名前についてもう一つ気になることがあります。

名前を呼ぶと、耳を動かしたり、こちらを見たり、しっぽを動かしたりする猫がいます。

これは「名前の意味を人間と同じように理解している」ということなのでしょうか。

2019年に上智大学などの研究グループが発表した研究では、家庭や猫カフェで暮らす猫78匹を対象に、猫が自分の名前とほかの言葉を聞き分けられるかを調べています。

その結果、猫は自分の名前を、ほかの一般的な名詞や同居猫の名前と区別していると考えられる反応を示しました。しかも、飼い主だけでなく、知らない人が呼んだ場合にも同じ傾向が見られました。

つまり、猫は「この音は自分に関係する」と聞き分けている可能性があるわけです。

ただし、名前を聞き分けることと、呼ばれたら必ず来ることは別。

「呼んだのに無視された……」というときも、名前が分かっていないとは限りません。

名前は「いいこと」と一緒に覚えてもらう

猫が名前に反応するようになる背景には、毎日の経験も関係していると考えられています。

名前を呼ばれたあとに、ごはんが出てきた。遊んでもらった。なでてもらった。

そんな経験が繰り返されると、「この音のあとには、いいことがある」と結びついていくことがあります。

反対に、名前を呼んだ直後に毎回嫌なことが起きると、名前を聞いたときに警戒するようになる可能性もあります。

名前を覚えてもらいたいなら、最初のうちは名前を呼んでから、遊ぶ・ごはん・おやつ・やさしく声をかけるなど、猫にとってうれしいことにつなげてあげるのがよさそうです。

これから猫に名前をつけるなら

では、これから猫を迎えて名前をつけるとしたら、どんな名前がいいのでしょう。

まず一番大切なのは、もちろんその子を見て「この名前が似合う」と思えること。

そのうえで、毎日呼ぶものなので、いくつか意識しておくとよさそうです。

短く、呼びやすい名前にする。

「ムギ」「モモ」「ソラ」「レオ」など、今回のランキングにも短く呼びやすい名前が多く並んでいました。

長い名前をつけても問題はありませんが、実際には愛称で短く呼ぶことも多くなります。最初から、家族みんなが自然に呼べる名前を考えておくとよさそうです。

家族や同居猫と、音が似すぎない名前にする。

「ミミ」と「ミミちゃん」、「ココ」と「モモ」のように、似た音が続くと呼び分けが難しくなることがあります。

特に多頭飼いなら、それぞれの名前を声に出してみて、聞き分けやすいか確認しておくと安心です。

家族みんなで呼び方をそろえる。

正式な名前が「ソフィア」なのに、ある人は「ソフィー」、別の人は「そっちゃん」と呼ぶ……ということ自体が悪いわけではありません。

ただ、猫に名前との結びつきを覚えてもらうという意味では、普段の基本の呼び方を一つ決めておくと分かりやすいでしょう。

そして、名前を叱るための合図にしないこと。

名前を呼ばれると嫌なことが起きる、という経験を重ねないように、できるだけ名前は気持ちのいい場面で使ってあげたいところです。

人気の名前より、その子に似合う名前

今回のランキングでは「ムギ」が1位でした。

でも、4,319種類もの名前が集まったことを考えると、人気の名前を選ぶことだけが名付けではありません。

毛色から考えてもいい。性格から考えてもいい。好きな食べ物や音楽、季節、出会った日のことから考えてもいい。

毎日呼ぶたびに「やっぱり、この名前でよかった」と思える名前なら、それがその子にとって一番の名前なのかもしれません。

集会所の猫たちの名前も、それぞれ

集会所にいる猫たちを見ていると、名前にはその子らしさが出ているようにも感じます。

呼びやすさだけではなく、見た目だったり、雰囲気だったり、出会ったときの印象だったり。

「この子には、この名前が似合うな」と思ってつけた名前は、暮らしているうちにますますその子らしくなっていくのかもしれません。

今回のランキングを見ながら、集会所の猫たちの名前をあらためて眺めてみました。

人気の名前も素敵だけれど、やっぱりその子だけの名前というのもいいものです。

ソフィア

ソフィア

「ブリューノは、『ごはん』が自分の名前だと思ってないかしら?」

参考にした情報

  • ペットメディカルサポート株式会社「みんなはどんな名前?ねこちゃんの名前ランキング2026」
  • 上智大学「ネコは自分の名前を聞き分ける」
  • Scientific Reports「Domestic cats (Felis catus) discriminate their names from other words」